「法人口座が作れない…」そんな悩みを抱えていませんか?

そんな悩みを抱える起業初期の経営者は少なくありません。
私自身、32歳で法人化をしたとき、まさに同じ壁にぶつかりました。
では、どうすれば起業初期でもスムーズに口座を作ることができるのでしょうか。
その答えが、ネット銀行(オンラインバンク)の活用です。
とくに、「GMOあおぞらネット銀行」「住信SBIネット銀行」「PayPay銀行」「楽天銀行」の4行は、起業直後の法人にとって非常に頼もしい存在です。
この記事では、「どの銀行が1番良いのか?」ではなく、「あなたの状況に合う銀行はどれなのか?」という視点で、私の実体験を交えながらそれぞれの銀行の特徴や注意点をお伝えします。
柔軟で爆速|GMOあおぞらネット銀行
「GMOあおぞらネット銀行」は名前の通りGMOインターネットグループが関わっており、IT・ネットビジネスとの親和性がとても高い銀行です。
私は法人設立直後、最初に開設したのがこの口座でした。
48時間で口座開設、3日目に初入金
法人化するきっかけになった新規契約が決まったものの、法人口座はまだ準備中で、業務上どうしても週内に口座を用意する必要がありました。
当然メガバンクでは即日対応は不可能です。
GMOあおぞらネット銀行の法人口座開設なら、
スマホで申込み → アプリで本人確認 → 書類アップロード、ここまでわずか30分。
48時間後に開設完了、3営業日目に入金確認。まさに、ネット銀行の強みが活かされました。
スマホ完結の操作性
- 申込み・本人確認がアプリで完了
- 入出金明細をPDF・CSVで出力可能
- freeeやマネーフォワードと自動連携
税理士とのデータ共有が数クリックで終わるようになり、月末の経理ストレスが激減します。
手数料のシンプルさ
2025年8月時点の振込手数料は以下の通り。地方銀行の平均と比べても圧倒的に低コストです。
同行あて | 他行あて | |
---|---|---|
通常 | 無料 | 一律143円(税込)/件 |
振込料金とくとく会員(※) | 無料 | 一律129円(税込)/件 |
(※)振込料金とくとく会員のご利用には、別途、月額料金500円がかかります。
注意点
- 対面窓口なし
- メール通知多め(設定で調整可)
まとめ
こんな方におすすめ
- とにかくスピーディに対応してほしい方
- コストを重視したい方
- 効率的な経理体制を構築したい方

安心と堅実さ|住信SBIネット銀行
「住信SBIネット銀行」は私が法人化して半年後、2つ目の口座として開設しました。
理由はズバリ「信頼感」。
取引先にとっても知名度が高く、振込先として案内したときに不安を持たれることがありません。
また実際に使ってみて、セキュリティ面も信頼がおけるなと感じます。
1,000万円超の取引も安心な理由
法人の資金が動き出すと、「安全性」や「資金管理のしやすさ」が気になってきます。
住信SBIネット銀行は、三井住友信託銀行との提携を背景に、堅牢なセキュリティと預金保護体制が整っています。
1,000万円を超える入出金を伴う案件でも頼りになります。
強固なセキュリティ
- ワンタイムパスワード認証
- 不正ログイン検知
- IP制限・端末制限
- 自動ログアウト
専用「認証アプリ」で取引ごとに承認でき、万が一スマホを紛失しても第三者に勝手に送金されるリスクを最低限にすることができます。
預金保護・格付けでも安心感あり
- 【格付け】JCR:AA
- 【預金保護】元本1,000万円とその利息まで保護
親会社である三井住友信託銀行の信用力がバックボーンにあるため、法人としても安心して大口の資金を預けられる環境が整っています。
操作には慣れが必要
UI(操作画面)は金融機関寄りで専門用語も多め。
ただし慣れれば、口座の目的別分類(資金ごとに仮想口座を割り振れる)など、中小企業には嬉しい機能が充実しています。
まとめ
こんな方におすすめ
- 外部委託や従業員を抱える法人の方
- 資金の流れを細かく管理したい方
- 少しずつ堅実に規模を広げていきたい方

融資の即応力|PayPay銀行
「PayPay銀行」の特徴は、スマホ完結のスピード感です。
私が開設した際も、申込から口座番号発行までが非常に早く、1週間もかかりませんでした。
資金ショートの危機を救った一本の申込み
知人の経営者の経験談ですが、実は以前、売上入金と支払いのピークが重なってしまい、資金繰りが苦しくなってしまった時期があったそうです。
その時はPayPay銀行のビジネスローンのおかげで立て直すことができたと言っていました。
申請はすべてネット完結で審査も早く、最短翌営業日に着金というスピード感があります。
法人向け融資制度(2025年8月時点)
項目 | 内容 |
---|---|
融資金額 | 10万円から1,000万円まで(10万円単位) |
金利 | 年1.8%~13.8% |
担保・保証人 | 担保不要(※1) |
契約期間 | 1年(自動更新)(※2) |
審査期間 | 最短翌営業日 |
※1 原則、代表者の連帯保証は必要になります。
※2 5年ごとに再契約が必要となります。
操作性・連携性は抜群
PayPay銀行は、「LINE Pay」や「PayPay for Business」などのキャッシュレス決済基盤とも連携しています。
これにより、売上入金や送金、経理処理まで一気通貫で管理可能です。
さらに、freee・マネーフォワードともAPIレベルで深く連携しているため、経理作業も非常にスムーズです。
連携力と弱点
逆にデメリットとしては、
- 細かい口座設定や申込書出力は、ややスマホUIに最適化されすぎ
- 法人用Web管理画面が若干情報過多で迷いやすい
という面があります。
スマホメインの方には嬉しい反面、PC中心の業務スタイルの場合には多少の慣れが必要かもしれません。
まとめ
こんな方におすすめ
- 融資やキャッシュフロー対策を早めに整えたい方
- 決済系サービスとの連携を活用したい方
- 現金商売ではなくオンライン取引中心の業種の方

ポイントも資金の一部|楽天銀行
私は法人化2年目に楽天銀行口座を開設しました。
楽天銀行の特徴は、普通預金金利が比較的高めに設定されていること。
企業の資金を遊ばせず、少しでも利息を得たいと考えるなら魅力的です。
また楽天市場や楽天カードとの結びつきが強いため、EC関連の取引が多い会社には最適です。
経費でポイントが貯まる
楽天銀行の最大の特徴は、「法人の旅費や仕入れで楽天ポイントを貯められる」ことです。
出張ホテルの予約(楽天トラベル)や備品購入(楽天市場)を法人カードでまとめるだけで、毎月ポイントが自然に貯まっていきます。
楽天グループとの高い親和性
- 楽天経済圏(市場・ペイ・モバイル)と自動連携
- 楽天証券への即時資金移動
- シンプルな管理画面
楽天銀行の管理画面はかなりシンプルで、メニュー表記がわかりやすいため、操作に慣れていない方にもおすすめです。
ビジネスローンにはやや弱い
融資制度は厳しめで審査に時間がかかる傾向あり。
資金調達は他行との併用が前提です。
まとめ
こんな方におすすめ
- 楽天市場や楽天ペイで売上や仕入れが発生する方
- 経費を効率よくポイント化・見える化したい方
- シンプルでわかりやすいネット銀行を探している方

用途別おすすめ早見表
ネット銀行は、あなたのビジネスを加速させるための心強い味方です。
そして、その“味方”にも個性があります。
銀行 | 強み | 用途 |
---|---|---|
GMOあおぞら | 開設速度・低コスト | 起業初期・決済用 |
住信SBI | 信頼性・セキュリティ | 資金管理・メイン |
PayPay | 融資・決済連携 | 運転資金・キャッシュレス対応 |
楽天銀行 | 経済圏連携・UI | 経費管理・副次口座 |
複数口座で未来の安心を先取りする
ネット銀行は、あなたの事業を加速させる相棒です。
1行だけに頼るのではなく、用途別に複数口座を運用することで、資金繰りやリスク管理の自由度が高まるでしょう。
あなたの事業内容や働き方に合わせて、最適なネット銀行を選んでみてください。
未来のあなたが、「あのときこの口座を作っておいてよかった」と思える選択になるはずです。