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必要書類の準備

履歴事項全部証明書はいつ取得する?有効期限・原本・オンライン提出

法人口座の開設手続きを進める中で、「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」の提出を求められ、いつ、どのように取得すべきか迷っていませんか?

先に結論

法人口座の開設手続きを進める中で、「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」の提出を求められ、いつ、どのように取得すべきか迷っていませんか?

この内容が役立つ方

法人口座の開設に向けて必要書類を準備している法人代表者や総務・経理担当者

法人口座の開設手続きを進める中で、「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」の提出を求められ、いつ、どのように取得すべきか迷っていませんか?

履歴事項全部証明書は、銀行によって「発行から3ヶ月以内」または「6ヶ月以内」の「原本」提出が求められます。複数行へ申し込む場合は最も短い3ヶ月以内に合わせ、手数料が安く法務局へ行かずに済むオンライン請求(郵送受取)を利用するのが基本です。一部のネット銀行では提出自体が不要な場合もあります。

履歴事項全部証明書とは?法人口座開設で求められる理由

履歴事項全部証明書は、法務局に登録されている会社の登記情報が記載された公的な証明書です。現在の会社情報(商号、本店所在地、目的、役員など)に加えて、過去約3年分の変更履歴も記載されています。

法人口座の開設では、銀行が法人名義、所在地、役員などの基本情報を確認するために、履歴事項全部証明書の提出を求めることがあります。法務局が交付する公的な証明書であり、現在の登記情報と過去約3年分の変更履歴を一つの書類で確認できるため、口座申込時の基礎資料として使いやすい点が特徴です。

読者が押さえるべきポイントは、「何が載っている書類なのか」よりも、「どの情報を銀行に確認してもらうために出すのか」を理解することです。商号や本店所在地、役員などが申込内容と食い違っていないか、直近の変更が反映された状態になっているかを見ながら準備すると、後で説明を補う手間を減らしやすくなります。

有効期限はいつまで?(3ヶ月・6ヶ月の違い)

法人口座開設時に提出する履歴事項全部証明書には、有効期限が設けられています。

金融機関によって規定は異なりますが、一般的には「発行日から3ヶ月以内」または「発行日から6ヶ月以内」と指定されるケースが多く見られます。

例えば、ある銀行では「発行日から6ヶ月以内のもの」と規定されていても、別の銀行では「発行日から3ヶ月以内のもの」と厳しく設定されていることがあります。そのため、複数の銀行に申し込む場合は、最も短い有効期限(3ヶ月以内)に合わせて取得しておくのが安全です。

有効期限を過ぎた証明書を提出してしまうと、再提出を求められ、口座開設までの期間が延びる原因になります。取得するタイミングは、口座開設の申し込みを行う直前に近づけるのが基本です。特に、本店移転や役員変更などの登記内容に更新予定がある場合は、変更が反映された後の証明書を使う前提で段取りを組んだほうが、説明のやり直しを防ぎやすくなります。

「原本」と「コピー(写し)」の違いと注意点

銀行へ提出する履歴事項全部証明書は、原則として「原本」が求められます。

ここで注意が必要なのは、「原本」と「コピー(写し)」の違いです。

原本とは、法務局の窓口や郵送で交付される、法務局の公印が付いた証明書のことです。一方、コピー(写し)は、原本を複写したものを指します。

また、インターネット上の「登記情報提供サービス」を利用すると、登記情報をPDFデータとして閲覧・保存できます。しかし、このPDFデータには法務局の公印がないため、銀行への提出書類(原本)としては原則認められません。

一部のネット銀行では、法人口座開設時の履歴事項全部証明書の提出自体を不要としているケースもありますが、金融機関ごとに異なるため公式条件を確認して準備を進めましょう。

銀行によっては、原本そのものを郵送するのではなく、原本を撮影した画像のアップロードで受け付ける場合もあります。この場合でも、撮影の対象は「原本」であることが前提です。コピーを撮影した画像や、登記情報提供サービスのPDF画面では代替できない可能性があるため、提出方法だけでなく、何を撮影すべきかまで確認しておく必要があります。

履歴事項全部証明書の3つの取得方法と手数料

履歴事項全部証明書を取得するには、主に3つの方法があります。それぞれの特徴と手数料(1通あたり)を比較表で確認しましょう。

表は横にスワイプして続きを確認できます。

取得方法手数料(1通)受取方法請求可能時間こんな場合におすすめ
オンライン請求(郵送受取)500円郵送平日 8:30〜21:00法務局へ行く時間がなく、数日の余裕がある
オンライン請求(窓口受取)480円窓口平日 8:30〜21:00最安の手数料で、法務局へ取りに行ける
窓口請求600円窓口平日 8:30〜17:15今日すぐに原本が必要
郵送請求600円+郵送代郵送24時間(ポスト投函)オンライン操作が難しく、郵送で済ませたい

自社への置き換え:具体的な会社例

業種:ITコンサルティング株式会社 規模:代表取締役1名、2026年7月設立 状況:8月中にA銀行(窓口・原本還付可)とBネット銀行(郵送・原本還付不可)の2行で口座開設を予定。代表が平日の日中は業務で忙しい。 課題:平日に法務局へ行く時間がなく、複数行へ申し込むための証明書取得費用と手間を最小限に抑えたい。

取得計画の立て方:オンライン請求と原本還付の活用

仮定:9月20日にA銀行(有効期限6ヶ月、原本還付可)とBネット銀行(有効期限3ヶ月、原本還付不可)へ同時に申し込む。

計算式・日程:

  • 申込日:9月20日
  • 有効期限の基準:B銀行の「3ヶ月以内」に合わせるため、6月20日以降に発行されたものが必要。
  • 取得申請日:郵送受取の日数(約3〜5日)を考慮し、9月10日にオンライン請求(郵送受取)を行う。
  • 必要通数:A銀行で原本還付を受け、その原本をB銀行に提出できれば1通(500円)で済むが、同時申込で原本が手元に戻らない期間があるため、安全を期して2通(1,000円)取得する。

読者が差し替える入力:申込予定日、各銀行の有効期限、原本還付の可否

失敗例と回避策

失敗1: 原因:インターネットの「登記情報提供サービス」でPDFをダウンロードし、それを印刷して銀行に提出した。 起きる問題:公印がないため「原本」として認められず、再提出を求められて審査が遅れる。 修正方法:法務局が発行した公印付きの書面(原本)をオンライン請求(郵送受取)または窓口で取得し直す。

失敗2: 原因:現在事項証明書で足りると自己判断し、取得してしまった。 起きる問題:銀行は過去の履歴も確認するため、履歴事項全部証明書を指定していることが多く、書類不備となる。 修正方法:銀行の募集要項を再確認し、「履歴事項全部証明書」を指定されている場合は正しく取り直す。

履歴事項全部証明書の取得手順

  1. 申込先銀行の条件確認(担当:代表者または総務担当)
    • 入力物:各銀行の公式サイトの必要書類一覧
    • 完了条件:必要な証明書の種類(履歴事項全部証明書)、有効期限(3ヶ月か6ヶ月か)、提出形式(原本かコピーか)、原本還付の可否をリストアップする。
  2. 必要通数の確定(担当:代表者または総務担当)
    • 入力物:申込条件のリスト、同時申込の有無
    • 完了条件:同時に申し込む銀行数と原本還付の可否から、必要な通数を確定する。
  3. 取得方法の選択と申請(担当:代表者または総務担当)
    • 入力物:必要通数、スケジュール
    • 完了条件:オンライン請求(郵送受取)など、スケジュールとコストに合った方法で申請を完了し、手数料を支払う。
  4. 到着確認と内容照合(担当:代表者または総務担当)
    • 入力物:届いた証明書、申込条件のリスト
    • 完了条件:届いた証明書が指定された種類・有効期限内であり、記載内容(商号、所在地、役員など)が最新の状態であることを確認する。

読者が持ち帰るチェックリスト

  • 銀行が指定する証明書の種類は「履歴事項全部証明書」か
  • 銀行が指定する有効期限は「3ヶ月以内」か「6ヶ月以内」か
  • 提出形式は「原本」か(PDF印刷やコピー不可ではないか)
  • 複数行に申し込む場合、最も短い有効期限に合わせて取得予定日を組んでいるか
  • 直近で本店移転や役員変更の登記を行っていないか(変更反映後の証明書が必要)

関連ガイド

法人の印鑑証明書も同時に取得・提出を求められることが多いため、合わせて確認してください。 法人印鑑証明書と銀行印の準備|必要な場面・有効期限・紛失対策

履歴事項全部証明書以外の、事業実態を証明する資料の準備については以下を確認してください。 事業実態を示す書類とは|契約書・請求書・会社案内の選び方

誤解しやすい点・保証できない点

「登記簿謄本」と「登記事項証明書」は名称が異なるだけで、実質的に同じものを指すという点は誤解されやすいポイントです。また、「登記情報提供サービス」で閲覧・印刷したPDFは、公印がないため「原本」としては使えません。さらに、「写し」と指定された場合、単なるコピーで良い場合と、原本そのものを指す場合(昔の「謄本=写し」の名残)があるため、銀行の要件をよく確認する必要があります。

履歴事項全部証明書を不備なく提出したとしても、法人口座の開設審査に通過することを保証するものではありません。また、各銀行の必要書類や有効期限の規定は変更される可能性があるため、必ず最新の公式情報を確認する必要があります。