必要書類と事業証明

履歴事項全部証明書はいつ取得する?有効期限・原本・オンライン提出

法人口座開設で提出を求められる履歴事項全部証明書について、有効期限の目安(3ヶ月・6ヶ月)、原本とコピーの違い、オンライン請求の手順と手数料を解説します。複数行申込時の原本還付テクニックも紹介します。

情報確認日:2026年8月16日編集:はじめての法人口座選びガイド編集部

法人口座の開設手続きを進める中で、「履歴事項全部証明書(登記簿謄本)」の提出を求められ、いつ、どのように取得すべきか迷っていませんか?

履歴事項全部証明書は、法人の実在性や基本情報を証明するための必須書類です。しかし、銀行によって「発行から3ヶ月以内」や「6ヶ月以内」といった有効期限の指定が異なり、さらに「原本」が必要なケースも多いため、取得のタイミングや方法を間違えると二度手間になってしまいます。

この記事では、履歴事項全部証明書の有効期限の目安、原本とコピーの違い、そして手数料を抑えつつ効率的に取得できる「オンライン請求」の手順まで、法人口座開設に必要な知識を分かりやすく解説します。

履歴事項全部証明書とは?法人口座開設で求められる理由

履歴事項全部証明書は、法務局に登録されている会社の登記情報が記載された公的な証明書です。現在の会社情報(商号、本店所在地、目的、役員など)に加えて、過去約3年分の変更履歴も記載されています [1]。

法人口座の開設では、銀行が法人名義、所在地、役員などの基本情報を確認するために、履歴事項全部証明書の提出を求めることがあります。法務局が交付する公的な証明書であり、現在の登記情報と過去約3年分の変更履歴を一つの書類で確認できるため、口座申込時の基礎資料として使いやすい点が特徴です [1]。

読者が押さえるべきポイントは、「何が載っている書類なのか」よりも、「どの情報を銀行に確認してもらうために出すのか」を理解することです。商号や本店所在地、役員などが申込内容と食い違っていないか、直近の変更が反映された状態になっているかを見ながら準備すると、後で説明を補う手間を減らしやすくなります。

また、履歴事項全部証明書だけで口座開設が完結するわけではありませんが、この書類が古かったり、提出形式が合っていなかったりすると、ほかの準備が整っていても差し戻しの原因になり得ます。だからこそ、取得方法、有効期限、原本の扱いを先に整理しておくことが重要です。

履歴事項全部証明書の有効期限はいつまで?(3ヶ月・6ヶ月の違い)

法人口座開設時に提出する履歴事項全部証明書には、有効期限が設けられています。

金融機関によって規定は異なりますが、一般的には「発行日から3ヶ月以内」または「発行日から6ヶ月以内」と指定されるケースが多く見られます [5] [6]。

例えば、ある銀行では「発行日から6ヶ月以内のもの」と規定されていても、別の銀行では「発行日から3ヶ月以内のもの」と厳しく設定されていることがあります。そのため、複数の銀行に申し込む場合は、最も短い有効期限(3ヶ月以内)に合わせて取得しておくのが安全です。

有効期限を過ぎた証明書を提出してしまうと、再提出を求められ、口座開設までの期間が延びる原因になります。取得するタイミングは、口座開設の申し込みを行う直前に近づけるのが基本です。特に、本店移転や役員変更などの登記内容に更新予定がある場合は、変更が反映された後の証明書を使う前提で段取りを組んだほうが、説明のやり直しを防ぎやすくなります。

起算点として意識したいのは、「今の会社情報が載っているか」と「銀行が定める有効期限内か」の二点です。社内の準備日程だけでなく、実際に提出する証明書の発行時期を基準に逆算して、申込日と受取日を近づける進め方が実務では扱いやすくなります。

「原本」と「コピー(写し)」の違いと注意点

銀行へ提出する履歴事項全部証明書は、原則として「原本」が求められます [5] [6]。

ここで注意が必要なのは、「原本」と「コピー(写し)」の違いです。

原本とは、法務局の窓口や郵送で交付される、法務局の公印が付いた証明書のことです。一方、コピー(写し)は、原本を複写したものを指します。

また、インターネット上の「登記情報提供サービス」を利用すると、登記情報をPDFデータとして閲覧・保存できます。しかし、このPDFデータには法務局の公印がないため、銀行への提出書類(原本)としては原則認められません [7]。

一部のネット銀行(例:PayPay銀行)では、法人口座開設時の履歴事項全部証明書の提出自体を不要としているケースもありますが [8]、基本的には「法務局の公印がある原本」が必要になると考えて準備を進めましょう。

銀行によっては、原本そのものを郵送するのではなく、原本を撮影した画像のアップロードで受け付ける場合もあります。この場合でも、撮影の対象は「原本」であることが前提です。コピーを撮影した画像や、登記情報提供サービスのPDF画面では代替できない可能性があるため、提出方法だけでなく、何を撮影すべきかまで確認しておく必要があります。

履歴事項全部証明書の3つの取得方法と手数料

履歴事項全部証明書を取得するには、主に3つの方法があります [2]。それぞれの特徴と手数料(1通あたり)を比較表で確認しましょう。

取得方法手数料(1通)受取方法請求可能時間メリットデメリット
オンライン請求(郵送受取)500円郵送平日 8:30〜21:00手数料が安い、法務局へ行く必要がない手元に届くまで数日かかる
オンライン請求(窓口受取)480円窓口平日 8:30〜21:00手数料が最安窓口へ行く必要がある
窓口請求600円窓口平日 8:30〜17:15即日受け取れる窓口へ行く手間と時間がかかる
郵送請求600円郵送24時間(ポスト投函)法務局へ行く必要がない手数料が高く、往復の郵送日数がかかる

※手数料は2026年8月時点のものです [3]。

おすすめは「オンライン請求(郵送受取)」!具体的な手順

比較表からも分かる通り、最もおすすめなのは「オンライン請求(郵送受取)」です。手数料が500円と割安で、法務局へ足を運ぶ手間も省けます。

設立直後で業務が忙しいA社のケースを想定します。法人口座開設のために履歴事項全部証明書が必要になりましたが、平日の日中に法務局へ行く時間が取れません。そこで、平日の夜20時に「登記・供託オンライン申請システム」からオンライン請求を実施しました。手数料500円をインターネットバンキングで支払い、数日後に郵送で原本を受け取ることができました。これにより、窓口に行く手間と交通費を省きつつ、手数料も100円安く抑えることができました。

オンライン請求は「登記・供託オンライン申請システム」を通じて行い、平日の8時30分から21時まで利用可能です [4]。窓口の受付時間に動きにくい読者でも、請求操作だけを先に進めやすい点が使いやすさにつながります。

オンライン請求の手順は以下の通りです。

  1. 「登記・供託オンライン申請システム」にアクセスし、申請者情報を登録する。
  2. ログイン後、「かんたん証明書請求」メニューを選択する。
  3. 請求する法人の情報を入力し、証明書の種類(履歴事項全部証明書)と通数を指定する。
  4. 受取方法(郵送受取)を選択し、送付先住所を入力する。
  5. 請求内容を確認し、送信する。
  6. システムから通知される納付情報に基づき、インターネットバンキング等で手数料を納付する。
  7. 手数料の納付確認後、法務局から証明書が郵送される。

複数口座を開設する場合の「原本還付」テクニック

複数の銀行で法人口座を開設する場合、銀行ごとに履歴事項全部証明書の原本が必要になることがあります。その都度、新しい原本を取得すると手数料がかさんでしまいます。

そのような場合は、銀行の窓口で「原本還付(げんぽんかんぷ)」をお願いできるか確認してみましょう。原本還付とは、提出した原本をコピーして銀行側で保管し、原本そのものは返却してもらう手続きのことです。

ただし、オンライン完結型の申し込みや郵送提出では、原本還付に対応していない場合があります。対応有無や必要な準備は銀行ごとに異なるため、複数行へ申し込む予定があるなら、取得前の段階で「返却前提で使えるのか」を確認しておくことが重要です。

考え方としては、原本を1通ずつ消費するのか、返却を前提に回して使えるのかで、必要通数も取得タイミングも変わります。たとえば、最初の銀行では窓口で返却を受けられても、次の銀行では郵送提出のみで返却不可ということがあります。つまり、原本還付は節約策として有効ですが、すべての申し込み方法で使える共通ルールではありません。

口座開設の準備を整理するうえでは、最初に申込先の銀行が求める有効期限と提出方法を確認し、その次に必要通数を決め、最後に受取方法を選ぶ順で進めると混乱しにくくなります。複数行へ申し込む予定があるのに1通しか取得していない、オンライン請求を選んだのに到着前に申込期限が来てしまう、画像アップロードで足りると思っていたのに原本郵送が必要だった、という行き違いは起こりがちです。取得前に「いつ使うか」「何通使うか」「どう提出するか」を決めておくことで、書類準備全体の遅れを抑えやすくなります。

履歴事項全部証明書に関するチェックリスト

口座開設の準備を進めるにあたり、以下の点を確認することが推奨されます。

  • [ ] 申込予定の銀行が指定する有効期限(3ヶ月以内か6ヶ月以内か)を確認する。
  • [ ] 申込予定の銀行が「原本」の提出を求めているか確認する。
  • [ ] 必要な通数を把握する(複数行申し込む場合は複数通必要になることがある)。
  • [ ] オンライン請求を利用する場合、手元に届くまでの日数を考慮し、時間に余裕を持って請求する。
  • [ ] 登記情報提供サービスのPDFではなく、法務局発行の証明書(原本)を取得する。
  • [ ] 本店所在地や役員などに変更がある場合は、最新内容が反映された状態で取得する。

このチェックリストは、上から順に確認すると実務で使いやすくなります。まず有効期限と提出形式を確定しないまま取得方法を決めると、急いで窓口へ行ったのに郵送提出で足りた、逆に画像提出で足りると思っていたのに原本郵送が必要だった、という手戻りが起こります。次に、複数行へ申し込む予定がある場合は、必要通数と原本還付の可否を一緒に見ます。最後に、オンライン請求を使うなら到着までの日数を見込み、申込日から逆算して請求日を決めると、書類だけが期限切れになる失敗を避けやすくなります。

誤解しやすい点・保証できない点

「登記簿謄本」と「登記事項証明書」は名称が異なるだけで、実質的に同じものを指すという点は誤解されやすいポイントです。また、「登記情報提供サービス」で閲覧・印刷したPDFは、公印がないため「原本」としては使えません。さらに、「写し」と指定された場合、単なるコピーで良い場合と、原本そのものを指す場合(昔の「謄本=写し」の名残)があるため、銀行の要件をよく確認する必要があります。

履歴事項全部証明書を不備なく提出したとしても、法人口座の開設審査に通過することを保証するものではありません。また、各銀行の必要書類や有効期限の規定は変更される可能性があるため、必ず最新の公式情報を確認する必要があります。

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掲載内容は審査通過を保証するものではありません。金融機関の公式条件と最新の案内を必ず確認してください。

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この記事の主な出典

内容確認に使用した行政機関・業界団体・金融機関の公式情報です。

  1. 出典 1

    みずほ銀行 公式情報

    みずほ銀行/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  2. 出典 2

    法務省・法務局 公式情報

    法務省・法務局/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  3. 出典 3

    法務省・法務局 公式情報

    法務省・法務局/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  4. 出典 4

    法務省・法務局 公式情報

    法務省・法務局/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  5. 出典 5

    楽天銀行 公式情報

    楽天銀行/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  6. 出典 6

    qa.smbc.co.jp 公式情報

    qa.smbc.co.jp/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  7. 出典 7

    biz.moneyforward.com 公式情報

    biz.moneyforward.com/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。

  8. 出典 8

    PayPay銀行 公式情報

    PayPay銀行/確認日:2026年8月16日

    記事本文の事実確認に使用。条件は変更されるため、最新の公式情報を確認してください。