法人口座と会計ソフトの連携方法|API・CSV・手入力の選び方
法人口座の会計ソフト連携は、セキュリティと利便性の観点からAPI連携に対応している銀行を選ぶのが最適です。ただし、銀行によってAPI連携の利用手数料や、必要な認証方式(電子証明書など)、取得可能な明細期間が異なるため、自社が利用する会計ソフトとの相性とコストを事。
先に結論
法人口座の会計ソフト連携は、セキュリティと利便性の観点からAPI連携に対応している銀行を選ぶのが最適です。ただし、銀行によってAPI連携の利用手数料や、必要な認証方式(電子証明書など)、取得可能な明細期間が異なるため、自社が利用する会計ソフトとの相性とコストを事前に確認する必要があります。
この内容が役立つ方
会計ソフトへの明細取込方法、認証方式、費用、月次作業を比較したい法人代表者・経理担当者。
法人口座の会計ソフト連携は、セキュリティと利便性の観点からAPI連携に対応している銀行を選ぶのが最適です。ただし、銀行によってAPI連携の利用手数料や、必要な認証方式(電子証明書など)、取得可能な明細期間が異なるため、自社が利用する会計ソフトとの相性とコストを事前に確認する必要があります。
API連携とCSV連携・手入力の比較判断
法人口座の明細を会計ソフトに取り込む方法には、API連携、CSV連携、手入力の3つがあります。自社の経理体制に合わせて最適な方法を選びます。API連携は、銀行のシステムと会計ソフトを直接つなぎ、自動で明細を取得する方式です。CSV連携は、インターネットバンキングから明細データをCSV形式でダウンロードし、会計ソフトに手動でアップロードする方式です。手入力は、通帳やインターネットバンキングの画面を見ながら、会計ソフトに1件ずつ入力する方式です。
表は横にスワイプして続きを確認できます。
| 項目 | API連携 | CSV連携 | 手入力 |
|---|---|---|---|
| 利用中の会計ソフトの対応 | 対応必須 | 未対応でも可 | 未対応でも可 |
| 月額固定費 | 許容範囲内 | 高額な場合はCSV | 無料 |
| 明細取得頻度 | 高い(毎日) | 低い(週1回・月1回) | 極めて低い |
| 適した企業 | リアルタイムでの資金繰り把握が求められる企業 | まとめて明細を取り込む運用が可能な企業 | 設立直後で取引先が限られており月数件程度の入出金しかない企業 |
【例】手入力とAPI連携のコスト比較
手入力とAPI連携の作業時間を比較し、導入効果を試算します。API連携の初期設定には時間がかかりますが、毎月の作業時間を大幅に削減できます。
- 月間の入出金件数: 30件
- 手入力にかかる時間: 1件あたり2分(月60分)
- 初期設定にかかる時間: 90分
3か月間の総作業時間
- 手入力の場合: 60分 × 3か月 = 180分
- API連携の場合: 初期設定90分 + (0分 × 3か月) = 90分
※計算方法を示すための仮定で、実在銀行の料金・上限ではない
失敗例:特定PCに依存する認証方式を選んでしまった場合
特定PCの電子証明書が必要な方式を選んだ後で、在宅担当者が更新できない事態が発生することがあります。取得停止の原因を認証条件と特定し、予備端末・担当者・再認証日を決めるか、ID・パスワード方式の銀行に変更することで修正できます。
API連携の利用手数料が想定外に高額だったという失敗もあります。事前に銀行の公式サイトでAPI連携の利用手数料を確認し、自社の予算に合った銀行を選ぶことで防げます。
実行手順:API連携の導入と運用
API連携を導入し、運用を開始するための手順です。
- 利用ソフトの対応確認
- 担当者:経理担当者
- 入力物:利用中の会計ソフト名
- 完了条件:候補の銀行がAPI連携に対応しているか確認する
- 認証方式と費用の確認
- 担当者:経理担当者
- 入力物:銀行の公式サイト
- 完了条件:認証方式と月額固定費を確認する
- 社内運用の決定
- 担当者:経理担当者・システム管理者
- 入力物:社内の勤務体制
- 完了条件:特定PCでの操作が必要な場合、運用に問題がないか確認し、再認証の手順を定める
- 連携設定の実施
- 担当者:経理担当者
- 入力物:銀行のログイン情報・会計ソフトのアカウント
- 完了条件:マニュアルに沿って連携設定を完了させる
- テスト入出金と確認
- 担当者:経理担当者
- 入力物:少額の資金
- 完了条件:テスト入出金を行い、明細が正しく取り込まれるか確認する
月次作業時間で連携方式を比べる例
設立1年目のシステム開発株式会社(社長が経理を兼務し、月30件の入出金をクラウド会計へ手入力している。全員がリモート勤務で、特定PCに依存しない明細連携を選びたい)の場合、API連携を導入することで、毎月の手入力作業を削減し、リモート環境でも安全に明細を取得できるようになります。
会計連携要件シート
自社の利用ソフト・認証方式・費用条件に合った「会計連携要件シート」を作成し、API連携に適した銀行候補を絞り込みます。
表は横にスワイプして続きを確認できます。
| 確認項目 | 自社の要件 |
|---|---|
| 利用中の会計ソフト | |
| 許容できる月額固定費 | |
| 必要な明細取得頻度 | |
| 認証方式の希望 | |
| 必要な照会可能期間 |
銀行ごとのAPI連携の固有条件
銀行によって、API連携の仕様や条件が異なります。API連携方式で同期可能な口座の種類は、銀行によって「普通預金」「当座預金」に限定される場合があります。銀行によっては、1日の明細取得件数に上限(例:300件、999件、1000件、2000件など)が設定されています。銀行側で「起算日」と「勘定日」の設定があり、これによって明細の順序が前後する可能性があります。インターネットバンキングの利用開始日以前の明細は、API連携で取得できない場合があります。API連携の利用には、事前にインターネットバンキング側で外部連携サービスの権限設定や利用申込が必要な銀行があります。API連携サービス自体は無料でも、法人向けインターネットバンキングの月額基本料金が必要になる場合があります。銀行が公開するAPIは、銀行と外部の事業者を安全にデータ連携するための仕組みであり、インターネットバンキングのログインIDやパスワードを外部サービスに預けることなく連携できます。
三井住友銀行(法人)の場合、API接続のためには、あらかじめ「三井住友銀行Web21」上での外部連携サービス権限設定が必要です。1日の明細が300件を超える場合は同期不可となります。契約プランにより照会可能期間が異なります(エキスパート・スタンダード・デビューは13ヶ月、ライトは6ヶ月)。
福岡銀行(法人)の場合、1日の明細が1000件を超える場合は999件までしか同期不可となります。API連携サービスは無料ですが、ビジネスバンキングWebの月額基本料金が必要です。
GMOあおぞらネット銀行の場合、API方式で同期可能な口座の種類は「普通預金(有利息)」「普通預金(決済用)」のみです。インターネットバンキングで口座の種類を切り替えると同期できなくなります。API利用料は原則無償です。
三菱UFJ銀行(法人)BizSTATIONの場合、事前に「APIサービス」の利用申し込みを行う必要があります。
ゆうちょ銀行(法人)の場合、1日の明細が100件を超える場合は100件までしか同期不可となります。総合口座は前月1日から、振替口座・ゆうちょダイレクト+(プラス)は14か月前の1日から照会可能です。
筑波銀行(法人)の場合、1日の明細が2000件を超える場合は同期不可となります。最大24ヶ月前の1日の明細が取得可能です。
API連携に対応していれば、すべての口座種別(定期預金など)の明細が取得できるわけではありません。実際は普通預金や当座預金に限定されることが多いです。API連携は過去の明細を無制限に取得できるわけではありません。実際はインターネットバンキングの利用開始日以降や、銀行が定める照会可能期間に限定されます。API連携は完全に無料であるわけではありません。API連携自体は無料でも、法人向けインターネットバンキングの月額基本料金が必要な場合があります。一度設定すれば、明細の取得漏れは絶対に発生しないわけではありません。1日の取得件数上限を超えた場合や、システムメンテナンス等で取得できない場合があります。
完了条件チェックリスト
- 利用中の会計ソフトがAPI連携に対応しているか確認した
- 銀行のAPI連携の利用手数料を確認した
- 必要な認証方式(ID・パスワード方式か電子証明書方式か)を確認した
- 社内の勤務体制(リモートワークの有無など)に合った認証方式を選んだ
- 再認証の手順と担当者を決めた
関連する確認事項
複数ユーザー・承認権限・明細などの機能選定について詳しく知るため: corporate-internet-banking-features 入出金明細と帳簿・証憑の照合運用について詳しく知るため: corporate-account-bookkeeping-reconciliation 将来の融資相談を想定した窓口・取引情報の整え方について詳しく知るため: bank-selection-for-financing
条件が合う会社の口座候補
自社の条件と一致する法人口座だけを確認する
以下は、このガイドで整理した条件と一致する場合の候補です。各行で審査・申込条件・利用条件が異なり、口座開設を保証するものではありません。
GMOあおぞらネット銀行
銀行APIや会計サービス連携の対応範囲を確認し、日々の明細取得を自社システム・会計ソフトへつなぎたい場合
月額基本料0円から利用でき、振込・入金管理・追加口座・デビット・APIを組み合わせられる法人口座です。
公式サイトはこちら三井住友銀行 Trunk
Trunkが案内する会計サービス連携と、自社が利用する会計ソフトの組み合わせが一致する場合
三井住友銀行の法人口座をオンラインで申し込み、日常の振込・公的支払・権限管理へつなげられます。
公式サイトはこちらドコモSMTBネット銀行
口座情報連携APIの対象サービス・取得範囲が自社の会計運用に合う場合
月額基本料0円で、振込優遇・入金専用口座・法人デビット・公的支払・会計APIを確認できる法人口座です。
公式サイトはこちら